大阪の消費者グループとつながりました

この豊かな海を第二のふるさとに

 

今から17年前、国は私の家の目の前にある海を埋め立て、普天間飛行場海兵隊基地の代替地にする、と発表しました。そこは東京から遠く離れた沖縄、沖縄の中でも那覇から北へ60キロ離れた名護市、その中でも丘一つ隔てた東海岸大浦湾地域。まるでいやなものを(迷惑施設)を人口の少ない、弱い地域へ押しやるかのように米軍の新基地建設が計画され、着々と既成事実が積み重ねられて来ました。

 

それに対して私たちは「大切な事は市民が決める」として1997年に住民投票を行い、新基地NOの民意を勝ち取りました。そして2010年と今年1月の市長選では「陸にも海にも新基地はつくらせない」とする名護市長を当選させてきました。そして今も海に杭一本打たせていません。

 

 

 

沖縄における基地経済の比重は全体の5パーセントにすぎません。沖縄は基地経済で成り立っているというのは全くの誤解です。ここに基地を建設すれば、ごく限れらた一部の人たちが、しかも一時的にお金を手にするかもしれません。でも、基地ができてしまえば、後はほぼ永久に害をもたらし続けるだけなのです。

 

 

 

大浦湾はジュゴンやアオサンゴをはじめとする様々な生き物が生息する貴重な海です。

 

「基地は要らない」というだけでなく、基地に依存しないでも地域の発展は可能だと示すために、私たちは2000年に「じゅごんの里」を立ち上げ、カヌー体験などで修学旅行の受け入れを始めました。これまで5000人を超えるこどもたちがここを訪れてくれました。「私たちとの交流を通じてぜひここを第二のふるさとと思ってほしい」、大浦湾を案内しながら私はいつもそう訴えています。そう思ってくれる人が増えれば増えるほど、都会の皆さんが訪れたいと思うような自然環境を維持していこうと思う地元の人間も増えるからです。

 

 また食を通して生産者と消費者が直接結びつくことも大切だと思っています。基地依存からの脱却を目指す名護市では、現在6次産業(生産×加工×消費)の整備を進めていて、特に東海岸側では、「わんさか大浦パーク」という新しい施設を拠点に、農産物の加工や出荷、地域ブランド品の掘り起しが行われ、全国に広めていく取り組みが始められています。

 

 

 

その様な人と人のつながり、都会と田舎のつながりが、私たちの生活を守ることへ、さらには持続可能な社会の発展へとつながっていくのだと確信しています。そうした輪の中で、私たちのふるさとを「第二のふるさと」として大切に見守ってくださる友人がますます増えることを願っています。