訪米報告 

アメリカへ米軍基地に苦しむ沖縄の声を届ける会

のメンバーとして 2012年1月21日から1月28日まで訪米しました。 

私たちの訪米の後に、稲嶺進名護市長も訪米しました。

(市長訪米報告会についてはこちらから

 

以下報告集に載せていただいた文章を掲載します。

 

訪米感想

沖縄の思いを直接アメリカに伝える訪米行動に参加できたことを感謝します。

この行動が実現できたのは、最初にアメリカ行きを決断した伊波洋一前宜野湾市長を始め、高里鈴代さん、平和市民連絡会、ヘリ基地反対協等の団体や、カンパをしてくれた県内外のみなさん、そしてアメリカで受け入れてくれたコーディネーター、通訳、県人会の皆さんのおかげです。改めて感謝申し上げます。

私は山内徳信参議院議員のグループの一員として、要請行動を行いました。

いくつかの要請先で印象に残っていることを報告したいと思います。

最初にグアム選出のボルダリオ下院議員に要請を行いました。私たちが「名護市民は辺野古移設に反対です」と伝えた直後に、ボルダリオ議員の補佐官が「しかし辺野古市長は誘致しています。」と、言って反論してきました。沖縄には「辺野古市」はありませんと訂正しましたが、そういった間違った情報がジャパンハングラーによって伝えられているということを実感しました。民意を直接伝える大切さを痛感する一幕でした。

バニーフランク下院議員と
バニーフランク下院議員と

バーニー・フランク下院議員への要請の際には、私たちの説明が終わるか終わらないかのタイミングでフランク氏が「私を誰だと思っている。私は海兵隊撤退論者なんだ」、「皆さんに気持ちはよく理解している」と堰を切ったように話し始めました。それに対し私は「ではまず沖縄の海兵隊を撤退させてください」と申し出ました。彼はそれを快く了承し、その後他の下院議員3名とともに、アメリカ大統領に対し在沖海兵隊撤退を求める書簡を送ってくれました。

 

ダニエル・イノウエ上院議員と
ダニエル・イノウエ上院議員と

大統領承継順位第三位に位置し、歳出委員長を勤める重鎮ダニエル・イノウエ上院議員にもお会いしました。まず山内徳信氏はじめ、みんなで沖縄の現状を丁寧に説明。それに対し井上氏は「沖縄は豊臣時代から差別されていると認識している」と切り出し、続けて「アメリカは国防予算を削減する方向へ進んでいる。みなさんから聞いたことを歳出委員会でも取り上げて行きたい。」と回答しました。沖縄県民から理解を得る方向で話を進めて行きたいという内容の話しもされました。

 

次に国防総省と国務省の部長クラスの役人に同時に要請を行いました。彼らは日米両政府の合意が大切であると強調していました。私は日米間の合意は大切かもしれないが、沖縄に基地を押し付けることでこの大切な日米関係を壊していいのかと問いました。彼らはその懸念があると言うことを認識しているようでした。彼らにとって見れば辺野古や普天間の問題が沖縄全体・日本全土に広がることを恐れているのでしょう。

 

以上が今回の要請行動の要約です。

今回の訪米で私たちはアメリカ政治の中枢に沖縄の民意を直接伝えることができ、今後の日米関係に波紋を投げかけたと思っています。アメリカは日本政府と違い、住民との合意形成を重要視する国です。日本政府を介さずアメリカにとって何が正義かを示すことによって直接交渉するほうが、辺野古の新基地問題の早期解決につながるのではと感じました。

フランク下院議員をはじめ、アメリカの国会議員で沖縄の民意に理解を示す人たちと、つながりができたことも大きな収穫でした。

この要請行動の後に、そのつながりを生かしながら名護市長も直接アメリカへ訴えて来ました。帰国後市議会で、市長は今後も沖縄のよき理解者を増やさないといけないと述べています。

今回の訪米行動を通して、私は沖縄が軍事の要から平和の要へと脱皮し、万国津梁の民として世界と直接交渉していくことが可能だと実感しました。